初心者ウェブライターの「月収50万円」は再現性のあるものなのか?

ウェブライターになって○ヶ月で月収50万になりました!なんてのをよく目にしますけど、別にその人が嘘を言っていると言うわけではないけれど、少なくともそれが誰でも同じようにできる「再現性のある」ものであるとは思わない。

少なくとも筆者は自分でウェブライターを養成する講座をやっているし、身近に弟子的なウェブライターを置いて育てているけれど、デビューして半年以内で月収50万を超える職業だとは思わない。

そりゃ、お前の育て方がしょぼいからだと言われてしまえばそれまでかもしれないが、まあ、そうは思わない。

不思議なのが、SNSを通じて自分の月収でマウントを取ろうとするのは一体なんだろうとか、そういうことは置いておいて、まだウェブライターになっていない、あるいはなりたての方の現実的な興味は、実際にいくら稼げるのかということに違いない。ひょっとしたらその月収50万稼げるという噂を聞いてウェブライターを目指す方もいるかもしれないし。

結論から先に言ってしまえば、半年とかそんなスパンで月収50万になるのは余程のレアケースだ。

例えば医師の資格を持っていて医療系の専門的な記事を書くとか、あるいはウェブライターで独立する前に自分の営業ネットワークで顧客をたくさん掴んでいたりといったケースがそれだ。

あるいは瞬間的に納品と請求のタイミングによっては月末に50万の請求が貯まるケースもあるかもしれない。それにしても、デビュー直後はタイミングというほどの仕事の量はないだろうし、瞬間的に増えればその翌月(あるいは前月)には、請求額が減ってしまう。たまたま貯まって50万請求できた人が自慢してるのかな?と思うことも多々ある。

しかし、フリーランスのウェブライターを始める最も標準的なパターンである、ランサーズなどのクラウドソーシングを使って仕事を受注するという方法ではじめて、すぐにそのようなそれなりに良い収入を得るというのは、まったくもって現実的とは言えない。

もしそんなノウハウがあるのなら、100万払ってでも教えて欲しい。(もちろん誰にでもできる再現性のあるノウハウを!)

でも、期待していたのになんだがっかり、とは思わないで欲しい。

月収50万が無理と言っているわけではない。経験を積み、仕事の取り方にも慣れ、効率よく仕事を捌けるようになれば、50万というのは決して不可能な数字ではない。ただし、クラウドソーシングだけに依存していると、一般論としては比較的ハードルが高い数字でもある。

逆に言えば、デビューして1年、2年経っても50万に届きそうもないウェブライターは、一度自分のスタイルを見直してもっと稼げるようなやり方を試行錯誤したほうが良い。

という話の一方で、最近では減ってきたがウェブライターは搾取される低賃金の労働だという意見もたまに見る。確かにやり方が悪くて、そこから向上する意欲がないとそうなるかもしれない。ランサーズを見ても、鬼のように安い単価の仕事はたくさんある。そんな仕事ばかりやっていれば、いっそ内職仕事でもしたほうがいいのでは?と思える程度の収入しか得られないだろう。

しかし向上心を持って、実力をつけ、仕事の取り方を学んでいけば、普通のサラリーマン並みに収入を得ることは、そこまで難しくない。もちろんある程度の書く能力と、仕事を取るノウハウは必要になる。

さらに、クラウドソーシング以外にも、ネットを使って積極的に営業できれば、より高い単価の仕事を獲得し、月収50万の壁を突破することも現実的に可能だ。ウェブライターの枠を広げ、セールスページのコピーまで手がけるようになれば、一家千金も夢ではない。ただし、日常のルーチンに飲み込まれ、次の一歩を進める努力を怠れば収入もまた、そこで頭打ちになることは明言しておく。これは、ウェブライターに限らない話だが。

冒頭の、デビュー数ヶ月で月収50万というのは、いくつかの偶然やそれまでの経歴がなければ無理という話から、実際にクラウドソーシングを使ってどのくらい稼げるかの目安について話してきた。どこを狙うかは、あなた次第だ。SNSで見かける甘いつぶやきほど楽観的ではないが、決して低収入から抜け出せないわけでもない働き方が、このウェブライターという仕事なのだ。

イラスト:りぴ

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