紙の本はどうやって書いていくのか?1冊につき印税はいくら?

ここを読んでいる人の中には紙の本を出したいという夢を持っている人も多いかと思う。

今回もそんな人のために、紙の本を書くということについて少し紹介したい。

今回は、実際に本を書くとなった時に、どうやって書いていくかという話だ。

本を書くというと、ある程度の文章力を持っていなければならないと考えるのは普通だと思うが、実際のところ必ずしも文章を書く能力はマストではない。

そう、いわゆるゴーストライターという存在があるからだ。

最近ではゴーストライターという単語のイメージが悪いからか、これをブックライターと呼ぶ人もいるようだ。筆者はいまいちブックライターの定義というのがよくわかっていないのだが、まあ、そういう人に書くことを依頼して自分名義で本を出版することができるから、書く能力は必要ない。

テレビドラマや小説なんかでも描かれる世界だからご存知かもしれないが、本を(あるいはマンガの方がピンと来るかもしれないが)、出版する会社にはいわゆる「編集担当」の方がいらっしゃる。本を執筆する際には、この編集担当さんとやり取りしながら本作りを進めていく。そのほかにも「校正担当」の方もいる場合が多く、誤字や文法の誤りなどはこちらで修正してくれる。

だから、多少の悪文であっても、本は完成する。

筆者も実際、非公式的に内緒で他人の本を代筆したこともある。その本の著者があまりに書けず半年以上悪戦苦闘した編集担当から、是非書いて欲しいとオファーされたのだ。自分がそのほかの書籍で書いたカテゴリーの内容だったので、書くこと自体は簡単だったのだが、やはりいったん自分の名前で本を出してしまうと、そのような縁の下の力持ち的仕事はやはり物足りないというか、歯痒い感覚だったことを覚えている。

話が逸れた。

つまり、本を出すためにはそこまで書く力が求められないというのは事実だ。

しかし、ここを読んでいる人の多くはライター、つまり文章を書くことを仕事とする、もしくは仕事としたい人たちだろうから、書く力についてはそこまで心配はいらないだろう。

むしろ、文章がちゃんと書ける著者というのはありがたがられる可能性がある。一般の人は本の内容としてふさわしいレベルでの文章はなかなか書けないからだ。

百歩譲って1冊目は苦労して仕上げたとしても、2冊目以降(ただし2冊目以降の執筆を依頼されるというのは、1冊目がそれなりに売れた著者だけだ)も依頼されやすくなる。ちゃんと自分で書けない人は、どちらかと言えば敬遠されるかゴーストライターを勧められる。ゴーストを使えばその費用も発生するから、みんなが大好きな「印税」による収益からライター料金が差っ引かれる。

場合によっては、先払いでゴースト費用を払わなければならないかもしれない。

ということで、文章を書く能力は本を出版するためには必須ではないが、書けた方がよい、という結論だ。

最後に印税の話をしたのでこれについてもう少し説明しておくと、よく本を出すと印税で暮らしていけるなんて話を聞くこともあるが、これは全くもって夢物語だ。実際本の印税だけで食べている物書きなんて、誰もが名前を知っている有名人などほんの一握りだ。

筆者も自分の著した本を名刺がわりに持っていくと、当たり前のようにその本を貰おうとする人がいるが、冗談ではない。よほどたくさんの見本誌をもらっているのでなければ、自分で自分の本を買っているのだ。それをなんで見ず知らずの人にあげなきゃいけないのだろうか。あるいは出版に伴う講演をすると、「一冊買いましたよ。印税で儲かっているのでしょ?」と言いながら何かをたかろうとする人もたくさんいる。たかだか1,500円の本で著者がいくら儲かるのか計算できないのだろうか?

一般的に紙の書籍の印税は最大で10%だ。これはベストセラー作家、売れる実績と信頼がある著者の場合で、そうでなければ5~8%程度だ。最大で考えても1,500円の本なら一冊の印税は150円。たとえ一冊買ってくれた読者であっても、単純に金銭的な話で言えばコーヒーを奢ってしまったら赤字になる。

それを知っておけば、印税生活でウハウハなんてことが夢物語ということもよくわかるだろう。

現在の出版不況と呼ばれる状況下で、紙の本は1万部売れればまあまあ売れたということになる。全く実績がない著者の書いた本であれば、1万部売れたら大成功と言えるだろう。

これに150円をかければ、よくできた1冊の本の印税が計算できる。それはあなたの月収の何倍だろうか?月収50万であれば、3ヶ月分。その本を作るのに携わった長く苦しい時間を考えれば、妥当かもしれないがウハウハではないことがわかるはずだ。(ゴーストライターを使ったのであればそこからライター料金が差し引かれる)

ということで、本を出したい理由が印税生活でウハウハになりたいからというものであるのなら、それはやめておいた方が良い。今の仕事をコツコツやったほうが、よっぽどお金が稼げるはずだ。

イラスト:りぴ