今日はライターの学び方について話そうと思う。
ウェブライターというのは、特に資格も必要なく誰でもスタートできる職業だ。だからと言って、何も勉強しないでいいわけはなく、かと言ってしなくてもなんとかなってしまうこともあるから、意外とちゃんと勉強しようという人は少ない気がする。
言葉という曖昧なものを取り扱う仕事だから、何をどう勉強したらいいかわかりにくいし、知識的に勉強すれば上手になるかというと、そういうものでもない。
それより何より、大きな問題がある。
例えてみよう。
成功哲学を学ぶと、こんな話を聞いたことがあるかもしれない。
「もし砂漠の真ん中に置き去りにされた時、街にたどり着くために必要なのは何か?」
少し考えて欲しい。
なんだろう?
答えは3つある。
ひとつは、地図。
ひとつは、コンパス。
さて、もひとつは??
それは、「現在地」である。
今自分がどこにいるか分からなければ、地図もコンパスも、もっていたって役には立たない。
ウェブライターとして成長を目指すときにも、同様のことが言える。
あなたがもし最近ウェブライターを始めたばかりだったとしたら、もしくは今から始めようとしていたら、どうだろう?考えて欲しい。コンパスと、地図は持っているか?そして自分が今どこにいるか、わかっているだろうか?
一般的なフリーランスの働き方というのは、その前になんらかの組織に属してそこで経験を積んだり、あるいは専門学校で実践を伴う勉強をしたり、ある程度現場を知ってからフリーランスになる。
なんの経験も積まずにいきなりフリーランスになるというのはすごく特殊なことで、ウェブライターはその特殊な世界の働き方として、結構大勢が経験なしで飛び込んでいるのではなかろうか。
そんな状況の中では、とても地図もコンパスも、言い換えれば自分がライターとして進むべき道筋や、どうやってそこに進むかの方向性を確認することは難しいだろう。ましてや、自分の実力がどの程度かなんて、自分自身では客観的には図れない。
ライターのスクール(先に言っておくが筆者も自分で教えているのだが)もあるにはあるが、そのようなスクールは卒業してしまえば終わりというものがほとんどだろう。ウェブライターとしてフリーランスになった後のケアまではしてもらえないから、道筋までは導いてはくれない。
さて、じゃあどうしたらいいんだろう?
前述の通り、筆者はスクールをやっているから、それを受ければいい。安くないし、たかだかライターになるためにそんな高額な授業料を払うのはバカだ、みたいなツイートを見かけたけれど、そう考える人は全くウェルカムでないから結構。たかがウェブライターと考えているのだとしたら、その人はそのたかがの中のゲームしかできず、たかがそのくらいの報酬しか得られないだろう。それが自然の摂理だ。
もちろんスクールを受けなくても運良く成長する機会を得ることができるかもしれないし、安価なコミュニティーでなんらかの情報は得られるかもしれない。だからべつに、誰にでも自分のスクールを勧める気はない。お金を払ってでも学びたい、ライターとして成功したいと覚悟を決めた人だけ、しっかり育てていきたい。そして継続的につながっていきたい。
ウェブライターというのは歳入障壁の低い職業でありながら、経験を積む、成長するという意味では、非常に特殊な業界であることは理解しておいて欲しい。ましてやまだ、生まれたばかりと言ってもいい若い業界で、きちんとしたノウハウを持っていない人たちが回している世界だということも。
逆にだからこそ、有象無象が能書きを語ってもそれらしく見えてしまうから、余計にタチが悪い。
イラスト:りぴ