ウェブライターにとって「良いクライアント」とはどのような相手なのか

ウェブライター のためのエッセイ

あなたにとって「良いクライアント」とはどんなクライアントだろう。

ギャラのいいクライアント、仕事が楽なクライアント、仕事をたくさん発注してくれるクライアント、自分が書きたいテーマの発注が多いクライアントなどなど、「良い」に該当する項目はいくつかあるはずだ。

しかしこれは、仕事を長く続けていくに従って変わっていくものでもあり、そもそも、長くつながらないクライアントを「良い」と感じることは少ないはずだ。(良かった、という過去形になってしまっては意味がない)

もちろんたくさん稼がせてくれる、単価が高くて発注量の多いクライアントが良い、というのはよくわかるし、それが一つの条件になるのも確かだ。

しかし、一見たくさん稼がせてくれるクライアントであっても、そのクライアントとのやりとりや仕事の進め方、あるいはチェックの頻度や方法などに何らかの問題があり、よくトラブルとなるというのであれば、話は別だ。

例えば連絡がすぐ取れなくなってしまうクライアントと付き合うと、納期ギリギリまで質問の答えが来ず、最後の最後の返事が「2時間後に納品してください」なんてこともよくある。

せっかく終わりまで書き上げたのに、土壇場になって最初の指示と違うことを書けと言ってくるクライアントもある。ひどいところだとクラウドソーシングのルールに反して、仮払い前に仕事をしろと言ってくるところすらある。

この辺りのクライアントの質やトラブルに関してはまた改めて話そうと思うけれど、良いクライアント=単に稼がせてくれるクライアントと自分で定義してしまうと、結構厄介なことにもなりかねない。

稼ぐ仕事をするために、そのように「報酬金額」だけを見ながらクライアントを選んでしまうと、無駄な時間に振り回されてトータルでの収入が思ったほどないということが起こりうる。何度も繰り返して言うが、収入の高低は打ち合わせから納品終了までのトータルの時間で報酬を割って計算しなければならない。正確に時給を計算するのだ。

ドンブリで計算して、この打ち合わせや修正の時間を考えないと、月末に売り上げを〆たときに冷や汗をかき、来月の暮らしを悲観しなければならなくなる。

と、ここまではお金の話。つまり、お金を時給計算して、しっかり納得いく金額がもらえるクライアントが良いクライアント、というわけだ。もちろん営業をかけずとも継続して依頼してくれるならなお良い。

まずひとつは。

前振りが長くなったが、良いクライアントとは、自分との相性が良いクライアントだ。

相性が良い、というには少し概念的すぎるかもしれないが、要は付き合いやすく、きちんとコミュニケーションが取れ、場合によっては何も言わずに分かり合えるなんていうのが理想かもしれない。

そういうクライアントがいくつかでき、そしてそのクライアントの仕事の報酬がそれなりに納得いくものであれば、しばらくの間仕事は安泰だし、何よりストレスフリーだ。

厄介なクライアントに捕まると、先ほど話した通り時間が無駄に取られてしまうのに加え、心理的なストレスが溜まってしまう。その溜まったストレスを放置してたまったままにしておけば、いつかどこかで何かが爆発してしまうことだろう。

報酬の金額ばかり気にしていると、この目に見えないストレスというやつにやられてしまう。

だからこそ、良いクライアント、相性がよく、スムーズに仕事が進み、やりとりも苦痛にならないクライアントを早く見つける必要がある。すべてのクライアントとそんな関係が作れ、それで満足いく報酬が得られるのであれば、それが理想じゃないか。

そんなクライアントなんてあるわけない、と思うのであればそれは新規クライアントへの営業をさぼっているか、あるいはもしかしたらあなた自身のコミュニケーションに何らかの問題があるかもしれない。

気の合う、と言ってもそれはお互いに最低限以上のマナーや常識、そしてコミュニケーションスキルは必須となるから、自分が欠けているのであれば一定レベルまで補うように努力しなければならない。

それを自分で探し、克服するのは少しハードルが高いかもしれないが。

どうしても自分の位置を知りたいのであれば、筆者に相談してみるというのも一つの方法かもしれない。いつでも手放しで応援してあげるよ、というわけにはいかないかもしれないけれどね。

イラスト:りぴ

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